心平粥

新・檀流クッキング (集英社文庫)

新・檀流クッキング (集英社文庫)

 親父殿・檀一雄の「檀流クッキング」を継ぐ、この書にも紹介されているのが「心平粥」。生米カップ1、ごま油1、水15を土鍋でふつふつと2時間煮て、塩を足すというだけの簡単料理。詩人草野心平直伝の粥。
 実は、私、この粥を高校生の時に作りました。驚くほど膨らんだコメは、土鍋一杯になってしまって、全て平らげた後、動けなくなるほど苦しかった記憶があるのです。
 その他にも伊丹十三の本を見て、オムレツを焼いてみたりしたものです。コツを活字だけで説明している解説書で、フライパンの柄を叩いて上下するとオムレツがひっくり返るとあった。半信半疑でやってみると、ちゃんとひっくり返ったんだよね。不思議な気がした記憶だ。ほんの少しだけ世界が開ける感覚。テレビ見て分かったようになってしまうと、得られない感覚。
 近所の「ショッピングセンター」という名前のショッピングセンターの一角に書店コーナーがあって、檀一雄選集が月一で出るのを楽しみにしていた時代です。何やってたのか、不思議な時代ですね。