わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である

ぶどうの木―10人の“わが子”とすごした、里親18年の記録 (幻冬舎文庫)

ぶどうの木―10人の“わが子”とすごした、里親18年の記録 (幻冬舎文庫)

 「養育家庭」里親制度について、初めて知った。
 巻末に「解説−神様に代わってくれている人々」として、石原慎太郎都知事が実のある推薦文を寄せている。著者にこの本を書くように勧めたのも石原であるという。良いこともするんだね。

…純平と別れることになった直後に夫が相談した、ある精神医学の先生の話が蘇ったものです。先生いわく、純平は大人であれば「境界性人格障害」を疑ってもいいような傾向があるのだということでした。乳幼児期に受けたトラウマが原因で、感情が不安定で他人を攻撃することが多く、対人関係を形成する過程で問題を起こす少年が世の中にはたくさんいるのだそうです。そういう少年達は、たとえば社会の無理解に悩むようになると、自らの意志にあらがえず、何かのきっかけで鬱積を爆発させてしまうのではないでしょうか。