ヨハネの黙示録をめぐって

エンジェル エンジェル エンジェル (新潮文庫)

エンジェル エンジェル エンジェル (新潮文庫)

 この人の小説は、簡単で楽しい読み物のようでいて手ごわい。
 最初に読んだのが「西の魔女が死んだ」。
 この「エンジェル・エンジェル・エンジェル」とよく似た主題で生老病死について思いが深まる。
 少女小説の体裁をとっているので、とっつきロマンチックな文体だけど意地悪なほど作り込まれている文章だ。
 水槽で死んでいく熱帯魚も、悪魔のようなエンゼルフィッシュも自己を投影した姿。介護とかボケとか人の生き死にとか…。
 エキセントリックで自意識過剰なお嬢さんなんかに薦めたい。怖いけど…。