ビアバーの名探偵

花の下にて春死なむ (講談社文庫)
短編連作ミステリー。ビアバー「香菜里屋」のマスター工藤哲也が謎解き役。自由律の俳人片岡草魚の死と身元不明の謎。彼の過去を追うライター飯島七緒。標題作を背景に連作が織り成されていく。謎解きと同時に面白いのは名探偵工藤の提供するビールの肴。気が利いて旨そうで、ビール飲みたくなる。例えば…。

今年最後の冬瓜を、挽肉と煮て屑でとろみをひいてみました。コンソメ味ですから、きっとビールに合いますよ。

から、

コキールというよりも「小鍋だて」と、言いたいところです。生きたままの帆立を貝殻ごと使ってみました。味は酒と醤油のみ、それにバターを仕上げに少しだけ。贅沢でしょ。
地蛸のいいものが入りましたので、スモークを作ってマリネに仕立てました。

だとか茄子の芥子漬、鯖の棒寿司、鮪のトロを賽の目に切り、ガーリックバターで照りつけた一皿だとか。