悪の読書術 (講談社現代新書)

悪の読書術 (講談社現代新書)

 もちろん著者のいう「悪」とは一般的な意味ではなく「自らの無垢さ、善良さを前提とする甘えを抜け出すモラル」としている。すこうしだけ悪者ぶってはいるけどねというスタンス。こちら側のボクもこういう手合いに会うと、チラッと反感が湧くのだけど…。

須賀敦子さんをして、上品なワンピースのような存在と申し上げました。しかし、著者をして服装にたとえるというような不遜は慎むべきであったかもしれない、と思うのは、ではソワレは誰なのだ、ドレスは誰なのだ、というツッコミがすぐに生じるからです。

 いくら女性誌の連載とはいえ、中年男が服やバッグにたとえて書評をするというのがねえ…。