私たちは、脱走アメリカ兵を越境させた……――ベ平連・ジャテック、

「私が愛したウルトラセブン」で描かれた弟子屈事件の後にもこんな作戦(ミッション)が展開されていたのだ。

七一年のある日、私とJは、高田馬場の喫茶店で京都から来た鶴見俊輔さんと会うことになった。席につくなり、Jは一言、「先生、全部成功しました」と言うと、そのまま言葉が続かなくなった。その時、彼は文字通りはらはらと涙を流していた。鶴見さんも私も、しばらく言葉もなく、黙っていたと思う。その後、どのように彼をねぎらったか、彼がどのように報告したかは、不思議なことに何も記憶に残っていない。とにかく、Jがあの作戦に彼の人生を賭けていたことだけが、痛切に感じられた。

こうしたF・S(普通の市民たち)を持てたことを、私も同じ日本人として誇りに思いたい。