植草甚一という生き方

植草甚一スタイル (コロナ・ブックス (118))

植草甚一スタイル (コロナ・ブックス (118))

われわれの若い頃ブームだった人。最近、又復活しつつあるらしい。人生なんか、好き勝手に自分の責任で生きたらええやんか!のうれしい人。「自己責任」というのは、プラカード掲げて他人に押し付けるもんと違います。人生の損得を黙って引き受けることです。しかし、J・Jが身長151cmというのには驚いた。
役者六十年

役者六十年

役者というとエキセントリックな人生の描写を想像しがち。これは、その対極にある人生の聞き書き。演技が自己表現でなく、総合芸術の部分であることを意識した職人的なものである確信。

「画面がワイドになったときは、三人のシーンが上手に撮れるので、カットをあまり細かく割る必要がなくなって、自然とセリフが長くなりました」
(男はつらいよ 葛飾立志篇では)「たばこの煙を吐き出しながら、とらやの団子を食べるのは、僕のアドリブです。渥美さんは『団子食べるか、たばこ吸うのか、どちらかにしたらどうだい。そのうち、間違えて、たばこ食って、団子吸っちゃうぞ』とアドリブで返してくれました。いかにも、寅さんの言いそうなせりふで感心しました」
「映画の衰退を『テレビが普及したせいだ』と言う人がいますが、僕はそれよりむしろ、日本が豊かになって、スポーツカーでドライブしたり、海外旅行に出かけたりということが、映画で見るだけじゃなく、自分たちで実際にできるようになったことが大きかったと思っています」
(あの夏の日〜飛んでろじいちゃん〜では)「僕自身にとっても計算外のことで、台本にまったくないことをやったのですが、大林監督は、カットをかけずに、ずっと二人を撮り続けていました。拓郎君も何かを感じてくれたのでしょう。目に涙を浮かべて、おじいちゃんの僕を見ていました。『こういうことがあるから、カメラはずっと回しておいてね』と、大林監督はスタッフに語りかけていました。そのテークが映画で使われています」