心霊本、みたび

冥途のお客 夢か現か、現か夢か

冥途のお客 夢か現か、現か夢か

 「小説宝石」に連載されたエッセイをまとめたものです。内容は「私の遺言」「あの世の話」と重複する部分が多く、目新しいものはありませんでした。何年か前に岐阜県の町営住宅のポルターガイスト騒動のその後についての話などを読むに付け、月日の移り変わりは早いものだなと…。あそこには全国から霊能者が緭集して大変な騒ぎだったが、その後日談ということ。ある霊能者の言いつけに従って供養塔を建立し、また別の霊能者の指摘でその供養塔を壊すなど、住民の振り回される姿が描かれている。堤幸彦の「トリック」に、それらを思わせるしょーもない霊能者の集まりが確かあったような気が…。